影と闇

嬉しくないわけがない。


こんなカッコいい男子が自分の彼氏だと考えるだけでニヤニヤしてしまいそうになる。


「明後日に……デート？」


「うん。ダメ？」


子犬を思わせるうるうるした瞳が私をとらえる。


ダメだという選択肢は、最初からない。


明後日は休みだし、沖田くんとふたりでどこかに行きたい。


「いいよ。明後日デートしようね」


ニコッと笑顔を浮かべながらそう言うと、沖田くんは私の頭から手を離して軽くキスした。


「じゃあ、明後日ね」


「うん、バイバイ」


顔が熱くなるのをなんとかおさえて、沖田くんの姿が見えなくなるまで見つめた。