「ありがとう。ダメダメな彼女になっちゃうかもしれないけど、それでもいいなら……」


「それでもいいよ。ダメダメだとしても、片桐さんが俺の隣にいてくれるだけで嬉しいから」


私が『ありがとう』と言ったことで、沖田くんは目を細めて笑った。


たとえ私がダメダメな人間でも、沖田くんは私の存在を認めてくれる。


末那という親友を失いつつある私の心が晴れていくような感じがする。


心の中でそうつぶやいたあと、沖田くんの手を軽く握った。


「沖田くん、彼女としてあらためてよろしくお願いします」


ついに人生初の彼氏ができた。


心強い存在を見つけたと同時に、昼休み終了のチャイムが鳴った。