影と闇

しかし、３日で離れていくのではないかという考えは違っていたようで、イメチェンしてから１か月たってもイメチェン直後の様子と変わらなかった。


４限の授業が終わって昼休みとなったこの時間、私はいまだにクラスメイト全員に囲まれていた。


「片桐さん、昼ご飯一緒に食べようよ！」


「ズルい、先に話しかけて一緒に行こうとするなんて！」


「一緒に昼ご飯食べようよ。片桐さんといっぱい話したいし！」


やはり私の近くを囲うのは女子。


男子は女子にほぼ押される形で私に誘いをかけていた。


「一緒に昼飯食べたいけどダメだよな。片桐って女子と一緒に食べそうな気がするもんな」


「だけどあきらめられない！ 女子に負けないくらいに誘おうぜ！」


「おぉ、そうだな！ なぁ片桐、俺らと食べてくれないか？」


うわぁ、どうしよう。


イメチェンするまでクラスメイト全員に囲まれたことが全然なかったから、誰と一緒に食べたらいいかわからない。


蘭子と理子ちゃんのほうを見ると、ふたりは女子と男子の間で苦しそうに助けを求めている。