影と闇

私は勝手にものごとを悲観的に考えていた。


もしかしたら自習の時間をきっかけに二度と蘭子に近づけないかもしれないと思ったのだ。


なぜ私が泣いたのか。


心の中で自分を傷つけていたからだ。


理由を蘭子と理子ちゃんに言おうとするが、涙が視界を邪魔し、うまく言えない。


と、ここで理子ちゃんが私の代わりに蘭子に言葉を伝えてくれた。


「鹿目さん、茅乃は鹿目さんのこと悪くないって。自分で自分を責めて泣いてたみたい」


まるで私の心を見透かす超能力者のような言葉を口に出す理子ちゃん。


超能力が現実にあるわけがないのに、本当にあると思ってしまいそうだ。


でも、理子ちゃんの言葉に間違いはないので、涙を手の甲でぬぐいながら首を上下に動かした。


そんな私を見た蘭子がほっと胸を撫でおろす。


「よかった、心配して損した。だけど茅乃は自分を心の中で責めすぎだよ。可愛くなったんだから、もっと自信持たないと！ ね？」


安堵とともにつぶやかれたはげましの言葉。