落ちているいくつかの破片のうちのひとつを拾って手のひらに乗せる。
「赤い……」
拾った破片には、なにやら赤い塗料のようなものが付着しており、金属に似たにおいがした。
その場でかがんで他に落ちている破片を見たとき、近くからまたなにかが割れる音が聞こえてきた。
まただ。
近くから音がしたということは、どこかでなにかが割れたと推測できる。
急いで立ちあがり、周囲の様子をうかがう。
視界に誰かが現れることはなく、割れる音がする以外はなにも変わっていない。
音を出しているもの以外はいつもと同じということだろうか。
足音を立てないよう歩き、音がした場所に向かう。
中の様子をうかがったほうがいいかどうか迷っていると、またしても同じ音が耳に響いた。
その音に誘われるかのように、音がした方向に顔を覗かせた。
そちらのほうを見て、思わず口をふさいだ。
教室から逃げだした末那が、空き教室の窓ガラスを拳で叩き割っていたから。
末那……⁉︎
いったいなんで窓ガラスを叩き割ってるの⁉︎
「赤い……」
拾った破片には、なにやら赤い塗料のようなものが付着しており、金属に似たにおいがした。
その場でかがんで他に落ちている破片を見たとき、近くからまたなにかが割れる音が聞こえてきた。
まただ。
近くから音がしたということは、どこかでなにかが割れたと推測できる。
急いで立ちあがり、周囲の様子をうかがう。
視界に誰かが現れることはなく、割れる音がする以外はなにも変わっていない。
音を出しているもの以外はいつもと同じということだろうか。
足音を立てないよう歩き、音がした場所に向かう。
中の様子をうかがったほうがいいかどうか迷っていると、またしても同じ音が耳に響いた。
その音に誘われるかのように、音がした方向に顔を覗かせた。
そちらのほうを見て、思わず口をふさいだ。
教室から逃げだした末那が、空き教室の窓ガラスを拳で叩き割っていたから。
末那……⁉︎
いったいなんで窓ガラスを叩き割ってるの⁉︎



