影と闇

涙とともにこぼれた私の言葉。


それはミカの心に響いたようで、こくんとうなずいて私の頭を優しく撫でてくる。


「よしよし、よく言ったね。私も全力で茅乃のイメチェン計画をサポートしてあげるからね」


本当にミカは優しい。


この優しさは中学のときと変わらない。


私が力強く握り拳で涙をぬぐったあと、頭から手を離して、ミカの体が離れる。


「頑張ってね、茅乃」


「うん。ありがとう、ミカ」


力のない手を振ると、ミカは口角を上げて微笑み、「また会おうね」と口パクで言って走り去っていった。


はげましてくれる友達がいる。


背中を押してくれる友達がいる。


そう思うだけでやる気が出てきたような気がする。


涙を拳ですべてふき取ったのを確認して、公園をあとにする。


叔母さんと親戚にお土産を渡して、美容院でイメチェンするのに最適な髪型を教えてもらわなきゃ。


いつの間にか震えていた足に力をみなぎらせて、歩くスピードと速める。


時間がなくても、クラスメイトを驚かすためなら問題はない。


変えたい。いや、変えるんだ。


青空から覗き込む太陽の光を一身に受けながら、私は軽い足取りで叔母さんと親戚のもとに向かった。