影と闇


☆☆☆

グループ行動の時間になって数時間が経過した。


私のグループの男子ふたりは土産ものコーナーがある場所にさっさと向かってしまい、私たち3人が残された。


だけど、蘭子と理子ちゃんにとってはこれが好都合だったみたいで、テンションが上がっている。


とくに蘭子は異常なほどルンルン気分。


バスから降りたあと、理子ちゃんに車内での会話を話して、私をイメチェンさせることを提案した。


意見は同じだったようで、「それ名案だね!」と言ってハイテンションになる理子ちゃん。


テンションが低いのは私だけ。


ふたりの間に入って歩いているので、ローテンションであることがひときわ目立つ。


すれ違う人たちはコソコソと話したりしないが、私とふたりのテンションの差が激しい。


「今度は向こうの服屋さんに行こうよ。茅乃好みの服いっぱい売ってあるよ!」


「いいね、さっそく行こう!」


自分のことじゃないのにノリノリだな。


このことは私ひとりでやろうと思ったのに、まさか蘭子と理子ちゃんが協力しようと加わるなんて。


ていうか、イメチェンなんて大きな計画はずっと先に立ててやるつもりだったんだけど。


ふたりから視線をはずして、バッグの中に入れてある雑誌に目を向ける。