影と闇

結局、ミカの勢いに気圧されてダウンロードしたが、ミカの言うとおり本当に便利だ。


心の中でミカにお礼を言いながら、感心しているふたりを近くのコンビニに連れていく。


そのコンビニは走ってすぐのところにあった。


3人で中に入り、目をひくところに並べられている傘の中から買いたい傘を選ぶ。


デザインにひと目ぼれしたという理由で、理子ちゃんはリンゴが描かれた黄色い傘を買った。


コンビニでの買いものが終わり、3人で横並びになってコンビニを出ようと歩いたそのとき、あることに気づいた。


そうだ、コンビニに立ち寄ったら買いたいものがあったのを思い出した。


ファッションの勉強をするために雑誌を何冊か買いたいと思っていたんだ。


蘭子と理子ちゃんの服装を見て、その思いを強くさせたのを忘れそうになった。


危ない危ない。


おしゃれを勉強したいならコンビニで雑誌を買わなくてもおしゃれな人にファッションについて教えてもらってもいいと思ったが、それは自分のためにはならない。


誰かの力を借りるのではなくて、まず最初に自分の力だけでやってみる。


それが私の信念だ。


傘をさそうとする蘭子と理子ちゃんに慌てて声をかける。


「ふ、ふたりともちょっと待って!」


私が思った以上に声を張りあげたせいで、ふたりはびくっと体を震わせてこちらに視線を向けた。