「男性恐怖症を少しでも克服しようって、決意したんでしょ? なのに、全然進歩してないじゃないの」

「……はい……」



返す言葉もございません。素直に反省して、しおちゃんのお説教を甘んじて受ける。



「まあそれはともかく、相手方の男共も信じらんないわ。こんなふわっふわにやわらかそうでかわいいコ、私が男なら真っ先に食べるのに」

「あわわわわ……」

「うふ。冗談」



慌てるわたしを見てイタズラに微笑むしおちゃんは、やっぱり美人さんだ。

わたしも、こんなに大人っぽくて綺麗な顔立ちだったらもう少し自信が持てるのかなあ。頭の隅で思いながらも、情けない笑い顔で頬をかく。



「それにわたし、途中で具合悪くなっちゃって。だから、最後までは参加してないんだ」

「……そう。さっきはああ言ったけど……無理は、しないでね」



そのひとことには、たぶんいろんな感情が込められている。

しおちゃんがちょっとだけ真剣な顔をしたから、わたしは安心させるように笑ってうなずいた。

いつもわたしのことを心配してくれるしおちゃんは、まるで年上のお姉さんみたいだ。

中学生の頃から、この関係はずっと変わらない。