こんなの、いつの間に。

固まっている俺を見て、彼女がイタズラに笑った。



「いやー、こないだ新しくデジカメ買ってさあ。昨日そーちゃんの部活が休みだっておばさんから聞いてたから、被写体にしてやろうとわざわざ出向いてきたのよ。そしたらあんた、昼まで爆睡してんだもん」

「だからって、勝手に人を……っ」

「ハイハイ。だからこっそり隠し持ってないで、プリントしたものを本人に渡しに来たんでしょ」



言いながら少し屈んで、俺の顔を覗き込んでくる。



「図体でかくなっちゃって普段はまったくかわいくないけど、寝てるときは今も少しはかわいげあるんじゃない?」



至近距離に、にやにや笑いのしたり顔。

眉をひそめた俺は、軽く身を引く。



「……隠し撮りしといて、よく言う」

「あはは。いいじゃん、久しぶりのツーショット写真なんだし」



今度は声に出して笑って、ポンポンと俺の頭を叩いてくるまどか。

心底嫌そうに「やめろ」と言ってその手を振り払い、写真と封筒を持ったままベッドから立ち上がった。

背丈が逆転し、今度は彼女が、こちらを見上げるかたちになる。