未宇と元々仲が良かったという、男子ともすぐ友達になった。名前は、黒田正幸(くろだまさゆき)。通称、マサらしい。あとは、マサの友達の瀬川春葵(せがわはるき)とも仲良くなった。春葵は、名前の字のせいで、女子によく間違われるという。だから、自分の字が好きではないらしい。『書く時は、絶対カタカナか平仮名だね』と言うくらいだ。春葵は通称、ハルと呼ばれている。
未宇は、女子の中では学年1のかわいさで、1番モテるという。女子の間では『みいちゃん』と呼ばれているようだった。
(なんでこんなに、知ってるんだろう…)
まあいい、未宇と初めて会ってから、もう1ヶ月が経とうとしていた。クラスの前には、未宇目当ての男子がうじゃうじゃいた(5人位だろう)。未宇は男子で1番モテている、ハルを好きだとか言うウワサも出ている。
(絶対信じたくない…)
でも、正直ハルは凄く良い奴だ。女子への優しさはもはや神。人気者とはこの事だ。
ハルって、ゴッドじゃね?とはつくづく思うが、みんなが『ハル、ハル』と呼ぶから、ハルはハルのままだった。未宇も、ブサイクな大男よりも、イケメンで人気者のハルが好きなのだろう。そう思うと、チクチク心が痛い。
(でも、絶対ハルが好きだよなぁ…)
今、未宇の事を好きか?と聞かれても、よく分からない。でも、ハルに未宇をとられたくない、と思う。