電車でぶつかった時は、一瞬ドキッとした。私が小さいからか、凄く大きく見える人に思い切りぶつかってしまったからだ。私はとっさに謝って、友達のいる方に急いだ。

学校に着いて、沙璃ちゃんとクラス割り当て表を見ていたら、沙璃ちゃんの隣に、電車でぶつかった大男がいた。
(怖い…)
3組のクラス割り当て表を見ていたから、多分だけど、同じ3組だろう。
(最悪だあ…)
凄くテンションが落ちた。絶対に近くの席は嫌だ、凄く怖いから。と心から思った。

クラスについて、自分の席に座ろうとしたら、左隣に大男がいた。
(うそでしょ…)
でも、話してみればいい人に違いない。大丈夫、話してみた方が絶対いい。大丈夫、大丈夫。自分に必死で暗示をかけた。
(よしっ)
結局、話していると、以外にいい人に思えた。笑ったら可愛いし、よく見ると、意外とカッコイイ。話は面白いし、結構天然。身長は、私よりも15センチ位高い、170センチ位だろうか。彼は堂神翔と言った。なんとなく、苗字呼びは他人行儀みたいだなと思って、名前で呼ぶ事にした。
(案外、やっていけるかも)
ホームルーム中に翔くんと目が合った。ドキドキした。さっきまで怖い、怖いと思っていた人にドキドキするなんて、はじめてだった。どうしたらいいか分からなかったから、笑い返した。すると、翔くんも笑い返してくれた。すごく、すごく嬉しかった。