初恋と、ゆずレモン。

私は、手とか繋いでいい感じかな…と思い始めていた。
（いいよね、デートだし）
手を出しかけたその時、
「えっ、２人って…そうゆう関係…」
と楓彩ちゃんの声がする。はっとなって、手を引っ込める。そこには、楓彩ちゃん、沙璃ちゃん、花実ちゃんがいた。恋バナ大好き３人組だ。私の気持ちがバレたら、学年中で噂になる。
「えっ、違うよ？楓彩ちゃん、違うよ」
私はすぐに否定する。でも、嘘だぁ！とからかってくる。
（これじゃ、拉致があかない。どうしよう…）
すると、隣にいた翔くんが
「ごめん、未宇が困ってるから、僕が言うわ。未宇は僕の彼女だよ。デート中だから、もういい？」
と言った。
（えっ…？）
全然理解できない。ま、まず整理しよう…。まず、『未宇』！？呼び捨てで呼ばれたのはじめて。
その次、『困ってるから』って言ってた。あってるあってる。
それから、『未宇は彼女だよ』って…、ええっ！ドラマでおなじみの『俺の彼女だから』発言！しかも、か、彼女…って私の事かばっただけ？それとも、ほんとに私の気持ちに気づいて…？
え、でもでも、私の気持ち知ってるのはもーちゃんだけだし…もしかして、翔くんも…！？
つ、次！『デート中だから、もういい？』って、これってほんとにデートしてる最中って事だよね。
あー、もう１人じゃ無理だ。もーちゃん助けてえ。
「えっ、あっ。」
私の今出せる言葉はこれだけだった。
（ど、うすれば？）
「やっぱり！知ってたよ〜。楽しんでねっ！」
と楓彩ちゃんたちは言って、どこかへ行った。
私はすぐに
「翔くん…か、彼女…って…未宇って…」
と、聞いたが全然まとまってなくて、多分理解されてないみたいだ。
「…ごめん、勝手に言っちゃった。でも、違うって言っても無意味だって思って」
と、返事がきた。そりゃそうだけどさ。恥ずかしいよー。
もういいや！気持ちを…言わないと
「ありがとう、翔くん。嬉しかったよ、凄く。全然、未宇って呼んでくれないから、嫌われてるのかと思った。彼女…発言にはびっくりしたけど、それも嬉しかったよ」
とまとめられる範囲でまとめて、翔くんに言った。
顔が赤くなっていた。
（照れ屋かよ、可愛いなあ…）
私は、
「あっ、立ち話もなんだし、自販機行こうか。なんか飲みながら話そうよ」
と提案した。