ピピピ ピピピ

ガチャっ

「んん。もう朝か」


いつもはあまり起きれないのに
この季節になると目覚めがとてもいい。


それは、私の部屋の高さと同じくらい
そして、窓から手を少しだけば届く距離に
私の大好きなキンモクセイが咲いている。


その匂いがとても落ち着いて好き。
だってね、彼と同じ匂いがするから。

もう秋か。
あの人も今日あの木にいるのかな。


「樹里〜起きてるの?朝ごはんよ」


「はーい。今行く」

あーあ。もう少し彼の匂いを感じていたかったのになぁ。