「鹿島 雷…だと?」

翡翠が邪眼で雷を睨む。

「貴様のような臨時教師が来る事は聞いておらん。もし来るのならば、下平 アルベルトが事前に話をする筈だ」

因みに下平 アルベルトは当時の天神学園学園長ですよ、皆さん覚えてますか~?

「貴様」

抜刀するなり、翡翠は川蝉の切っ先を雷の喉元に突き付けた。

「何者だ?素性の知れん者を、天神学園に入れる訳にはいかん」

「……」

無言のまま、雷は静かに翡翠の刀を指先で摘まんでどかした。

殺気なき動き。

故に翡翠もされるがままにする。

「俺は下平学園長に呼ばれた訳ではない…天神の地に縁ある、ある人物に推挙されたに過ぎない」

「縁ある人物だと?」

龍娘も身を乗り出す。

「誰の事だ?」

「…今話さずとも、ゆくゆくは天神学園に現れる。この学園の舵取りを担うようになる王の器たる男だ」