他にも突っ込みたい事は色々とあったが、それよりなにより彼女が防御力の低い首に抱きついているせいで感じる冷たさが強いため、いつもの比ではない震えと鳥肌に襲われて正直それどころではない。
「い、いい加減に離れてください。さ、さ、寒くて、心臓が止まっ、止まりそうです」
エアコンの効いた室内にいるのに、ガチガチと歯の根が合わなくなる。
これはやばいと本格的に逃げの姿勢になると、いつになくあっさりと彼女が腕を解いて離れる。
その素直さに思わず目を見張ると、彼女が拗ねたように唇を突き出した。
「……旦那様にそんなことはしませんと、何度も言いました」
いつもの比ではない震えは、当然密着していた彼女にも伝わっていたようで、いつにない素直さは、尋常ではないその震えのためかと彼も納得して視線を外す。
外した視線を彷徨わせて探したのはエアコンのリモコンで、なぜだかベッドの上に放ってあるそれを求めて腰を浮かせた。
「ねえ、あなた」
ふわりと優しいその響きに、立ち上がった高い位置から視線を彼女へと向ける。



