秋の月は日々戯れに


確かに、彼もそんな気はしていた。

その飲み過ぎの原因はほぼ、しつこく勧める先輩にある。


「勧められるままに飲む方も飲む方ですけど、勧める方も勧める方ですよ。甘いものが好きな人はお酒飲まないって聞いたことありましたけど、あんなの嘘ですよね。だってあの人、甘党なのにザルなんですもん」


呆れていると言うよりも、どこか怒っている様子の受付嬢だが、その矛先は後輩ではなく別の人物へと向いている。


「あの人、絶対いつかアルハラで訴えられます」


なんだか、どこかで聞いたようなセリフを放って、受付嬢は梅酒を煽る。

可愛らしい顔には似合わない、随分と男らしい飲みっぷりだった。


「大将、梅酒のおかわりもらいますねー!」


奥の厨房に向かって声をかけながら、受付嬢は勝手知ったるとばかりにカウンターの向こう側に回って、梅酒のおかわりを注ぐ。


「先輩さんも、おかわりいりますか?」


自分の手元にチラッと視線を落とした彼は、首を横に振って答えた。