受付嬢はただ意味ありげに笑って「まあ、人並みに」と具体的な回答は避けた。
けれどそれが、実質答えのようなものである。
「そう言えば、スーツ汚されませんでした?大丈夫でしたか?」
心配げな問いかけに、彼は思い出したように首を回して、あちこちチェックしてみる。
幸い、それっぽい汚れはどこにもついていなかった。
「大丈夫そう」
笑って答えると、受付嬢もホッとしたように笑みを返す。
「あれで昨日までは、絶対泣かない!なんていきがっていたんですよ。まあ、そんなわけはないと思っていましたけど、案の定でしたね」
“絶対泣かない!”などと宣言していた割に、後輩は最初の乾杯の辺りから盛大に泣いていた。
「あれはきっと、明日辺り酷いですよ。声はガラガラで、目は真っ赤に充血して腫れていると思います。それにプラスして、二日酔い」
受付嬢は、呆れたようにため息をつく。
「ハイになるのは分かりますけど、飲みすぎなんですよね。やたらとペースも早いし。あのバカ、絶対そろそろ寝落ちします」



