『……嫌いになっただけ。
どいてよ。』


嘘だよ。
嫌いなんかじゃない。


翔「嫌だっ、どいたら、また逃げるんでしょ……?そんなのもうたくさんだよっ!!!」


ごめんね。
でも私は、満月の存在だから。


『嫌?男のくせに未練たらしい。
早くどいて、もう私に関わらないで。』


翔「嫌だっ、未練たらしくても…っ、どうしても嫌だっ!!
俺を嫌いになった理由を教えてよ…、俺を、俺を避ける理由を納得できる理由を教えて……?」

……本当に、本当に。



どうして。



貴方は私の心を揺さぶるの。

『だから、嫌いなんだって。
初めから鬱陶しかったし。もう邪魔しないで。』


翔「……もう、嫌なんだよ、かのん。





君が好きだ。好きなんだよ……。
困るのも分かってるっ、鬱陶しいかもしれないけどっ……!!!でも……諦められないよ……っ」





ドクンッ---

私の中に、衝撃が走った気がした。

涙が溢れそうになって。
苦しくて、怖くて、切なくて。



気づけば、口が勝手に開いていた。