……めんどくさ。

ギィッ

入ってみると、遊具には子供たちの姿は一つも見当たらなかった。

……避難でもさせてるのかな。


ガチャンッ

院長「月の悪魔様っ、ようこそおいでくださいました、最近子供たちの様子がおかしいもので……」

『分かりました。』

月の天使(杏里)
杏里「行っきましょ♪」

すぐ隣に現れたのは杏里。
私のパートナーは、杏里。

ギィィッ

寮の中に入ると、異様な空気が漂っていた。誰1人、声を騒がせる者はいない。

……まず、部屋からでてきていない。

明来「あ、悪魔?」

ドアからひょこりと姿を見せたのは、先日私がここに送った明来だった。

『ん。』

明来「悪魔……俺、会いたかった!でもこんなすぐに会えるなんて思ってなかったー……」


寄ってこようとする明来を、瞳だけで制止させた。

『今日は仕事。
明来の部屋に入らせて。』

明来「あ…ごめん、そうだよな…分かった。」

杏里「可愛い子だねぇ食べちゃいたい♪」

『寮の子供はよして。』

私にだけ聞こえるように耳元で呟いてきた。
後ろからでもニヤリと笑っているのが手に取るように分かる。


殺す事を快感とした杏里は、

食べる=殺す

この言葉をよく使っていた。
でも、ここの子供たちは殺してはいけないから。