翔「……は?」

今、物凄い声が聞こえた気がする。

クラスの空気が、凍った。

翔「俺はかのんが好きだからここにいるし、今日だって俺が一生懸命頼んでここまで来てもらってるんだよね。

この際だから言うけど、かのんは俺の彼女だから。
お前らにかのんのこと分かってもらわなくていいけど、罵倒されるとさぁ……気分悪いんだよね。





お前らに幻滅したわ。」


震えるほど低い声と、
鋭い目つき。



完全に、クラスは凍った。

男子「あ……っ……その……」

翔「かのん、ごめんね、俺全然楽しめてあげられなくて……」

『……気にしないで。いつもの事だから。』

ガタッ

席を立ち、いつものように歩き出す。
ここにいたら、私が潰れてしまう。



人間を、助ける存在なのだから。
私は、惑わされない。
私情は挟んではいけない。





翔「かのんっ待って……!」

廊下を歩いていると、腕を引っ張って翔の方に向けさせられた。