ピエロ「お前達、よく聞きなさい。
我らは満月の存在。
人間でも、魔法使いでも、天人でもない。満月の光が照らす存在だ。
分かっておるな?」

一人ひとりが頷くのを見てから、またピエロが話し始めた。

ピエロ「無能者、つまり人間を狙う者が、我ら満月の存在に攻撃を仕掛けてくる。」


ハルカ「……どの種族でしょうか。
また、いつごろでしょうか。」

『その情報なら私も聞いたことがある。
吸血鬼が半年後に人間を滅ぼしに来ると。』

ピエロ「そうだ。
吸血鬼の本隊が、百名ほどの人間を滅ぼしに来る。

それも、満月の存在が力を使えない日に。」

深刻な雰囲気が周りをまとった。
月の明かりが出ない日に吸血鬼達が人間を滅ぼしに来る。


それは、私たちにとって絶望的な事だった。
なぜなら……満月の存在は
月のあかりが出るその日にしか異力を使うことは出来ないから。

アスカ「……どうされはるんですか、ピエロさん。」

日本の関西から来たアスカは珍しく真剣な顔でピエロに問いかけている。

全体の空気が引き締まった。

ピエロ「月の明かりが出ない日に我らを襲うと言うことは、人間には死しか待ち受けていない。

……だが、満月の存在にも特殊な者がいる。
それがお前達だ。
そうだろう?


そう。
満月の存在にも、例外がいる。

満月の存在の数を世界中から集めるとして、
1000人。
そのうちの、100人しか使えない。

非常に稀でそして力が半端で無いほど強い。
吸血鬼達は、この特別部隊の存在は知らないけれど。

異力
の中にも、二つの属性がある。

天神

悪神

この二つだ。
天神と呼ばれる満月の存在は満月の明かりがなくなると異力が使えなくなる。大半がこのタイプだ。

そして悪神。
このタイプに私も入る。
満月の月明かりが無くても異力を発揮し、天神の異力の数100倍にも及ぶ力を1度に発揮することが出来る。

戦闘能力が極めて高く、洞察力に優れ皆一人ひとりが強い。

悪神の間。
ここはそう呼ばれる場所。
特殊間部隊は、ここにいる100名の満月の存在。

満月の存在の中でも極めて稀。
吸血鬼の力の約1000倍を誇る。
けれど吸血鬼は無数にいる存在。

圧倒的に不利なのは、こちらだ。