ネクタイを外してその流れで川に飛び込む。
「兄貴!翼さん!?」
驚く汐やほかのみんなの声は無視。
ざわついてた観衆の声も更にますけど無視。
俺と翼で一人ずつ抱えて岸まで運ぶ。
『そこで騒いでる大人!
さっさと子供を引き上げろ!』
うん。
口調が悪くなってるのは大目に見ていただきたい。
ハッとしたように子供を引き上げる数人の大人。
私は自力で上がります。
『翼。』
「さんきゅー」
翼に差し出した手が握られたのを確認して思い切り引き上げる。
子供は泣いてはいるものの怪我はないみたいだし大丈夫でしょう。
「水で張り付いて気持ちわりぃー」
『そんなの私も同じです。』
濡れて張り付いた前髪をよけながら翼に向かっていいます。