俺の名前は神月 汐-kouduki shio-
銀楼の総長をしてる。

俺は今高校2年。
2年になったと同時に総長を引き継いだ。

初めは不安ばっかりだったけど、いつの間にかゼロではないもののそんな感情はなくなってた。

それは周りの仲間が支えてくれた事、2年で総長になることを認めてくれた下の皆のお陰だ。

後は反発していた年上組をまとめてくれた兄貴の力も大きいと思う。

俺の兄貴、神月 澪は優しく大きな人だった。
俺と兄貴は一つしか変わらないけど、兄貴はどんな時も前にいて、憧れだった。

下っ端のまとめ役なんかじゃ、勿体無いくらいの実力があるのに、その場でいようとする兄貴になんどくってかかろうと思ったことか。

だけど、兄貴と過ごした記憶なんてほとんどないってのが事実。

俺が小学校入学前に兄貴は誘拐事件に巻き込まれた。

警察も必死に捜索してくれたけど、手がかりなんてなくて打ち切り同然の扱いだったし、俺らも覚悟してた。

けど、中1の時。
荒れてた俺は質の悪い不良に絡まれ、正直やばい状況だった。

その時に現れたのが…兄貴だったんだ。