『あの日の事に不正解や正解などありません。
全て不正解で、全て正解なんです。

翼。あなたが何をかんがているのか知りたくもありませんが、中途半端な気持ちは私たちにとって命取りです。』


「澪……。」


『あなたが誰よりも表に戻りたがっていること。
私も、凜音さんも分かっています。』


「…っ!?」


『あなたは優しいから。
私がこちらにいる限り、抜けるとは言えないのでしょう。』








あの日に正解を求めることも、不正解を探すこともとっくの昔に諦めてしまった私と違い、今も尚、あの日の正解を求める翼は誰かが止めてくれることを心のどこかで待っているのでしょう。

その事に私も、翼のオーナーである凜音さんも気がついています。









『こちら側には止めてくれる優しい方などいない。
それは、〝あの方に親を殺された〟あなたが一番わかっているでしょう?』


「…分かってる。
俺達はあの方の駒だってことも、

けど、誰かに止めてもらわないといつか俺は自分も殺しちまいそうなんだ…っ」