「黒羽は戻りたいん?」 『戻る?』 「明るい所に。」 『俺に光は似合わない。 それは白羽が一番分かっているでしょ?』 黒く染まったものは。 二度と白くはなれない。 それが裏の世界。 分かってて、俺も白羽も足を踏み入れたんですから。 「光は俺らには眩しすぎるからなぁ」 『…俺らには月明かりでさえ似合わないよ。』 見晴らしのいいここ。 そっと空を見上げると満月が俺らを照らす。 「なんや。寂しなったか?」 『寂しい? そんなことあるわけねぇじゃん。』 そんな感情いらない。