「あら、楽しそうな会話ねぇ」


『「誰っ!!??」』





どこから入ったか分からない、おねぇ口調の男。

この頃の僕に今の知識があったなら、家紋くらい見てただろうけど、当時の僕にそんな力量はない。

もちろん、翼にも。




「あなたを連れてこいって命令なの。
神月 澪くん?

そっちの子はお友達かしら?
目撃者がいると面倒だし、あなたも一緒に来てもらうわねー」


『やめてっ!
翼は関係ないっ…ゲホッ…ゴホッ』


「あら風邪ー?
大丈夫?すぐ眠くなるからねー?」





そう言って口に当てられた布で気を失った。
今なら、マジで殴ってる。

ってか、殺してる。


次に気がついたのはどこかの家の一室。
豪華さから、裕福なのがわかる家だった。