リオくんとの距離は、ベランダから10センチ。




「おまえって意外と抜けてるとこあるよな」



先輩はそう言ってケラケラと笑うと。



「ちょっといいもん見れたわ」



「あ~…いや……//」



あぁもう、キマらないな私……。



恥ずかしくて、顔を隠すようにうつむいてしまう。



だけどそのとき突然、先輩は私の手首を掴み、



ーーグイッ。



そのまま体育館のほうへと歩き出す。



「えっ!?」



ウソ……!



センパイ……手……!



びっくりして顔を上げると、先輩は歩きながら振り返って。



「応援席まで送ってやる」



「え……?」



「迷子になって試合に間に合わなくても困るからな」



フッと笑ってそう言った。