お風呂から出た私は、メイドさん達に着替えさせられ、さっきのマスターと同じ格好になった。

 全身真っ白なローブに、頭からフードをすっぽりかぶせられて、マスク着用。

 手首のリストバンドが濡れたままで気持ち悪いから、外して乾かしてもらう。

 メイドさんをおどろかせたくないので、健斗君は左手でかくした。


「このまま、二階のサーヤ姫のお部屋へどうぞ」

 そう言われて、さっきの場所へ。

 らせん階段を上がって、マスターが出入りしていた部屋を目指す。


 ドアの前に来た。ここに、サーヤ姫がいるんだ。

 私とそっくりな、でも違う人格、別の人生を歩んだ女の子。今は病と闘っているサーヤ姫……。


 会うのが怖い。

 でも、行かなくちゃ。

 私はサーヤ姫の命を救うためにここへ来たんだから!