「また会えてうれしいよ」
「だから私はあんまりうれしくないってば」
デジャヴじゃないんだよね、残念ながら。
はい、本日もドーナツ屋さんで健斗君と待ち合わせの私。
前回言われていたので、一応お泊りの準備をしてきた。
これから先は、健斗君にゆだねるしかない。
……かなり不安だけど。
「さてと。まだかなり時間が早いから、ちょっと付き合ってもらおうかな」
「何するのっ?」
「うーん、安全に異世界を旅するための用意ってカンジかな。悪いことなんてしないよ」
「ホントに?」
「ホントホント。来ればわかるって」
私が連れてこられたのは、小さな神社。
神主さんもいない。
ぽつんとある赤い鳥居が、かろうじて神社であることをアピールしてるようなところだった。
二人でお参りをするらしい。
「ここ、手水がないから気持ちだけ、な」