学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます






ウォークラリーを無事に終えて、私は柊くんと一緒にボートのある池の方へ向かった。


「柊くん、緒方さんと乗るの?」


「私たちと乗ろうよ!」


池に着くと、すでに来ていた子達が柊くんを見てそういった。


そうだ。


柊くんは人気者。


本来なら私のような人間が隣を歩いちゃいけない存在。


なんとなく、柊くんとの距離を離そうと2歩後ろに下がる。


「あー、ごめん。もう緒方さんと乗るって決めたから!」


「わっ、」


っ?!


柊くんは、後ろに下がろうとした私の腕を引っ張ってからその手をそのまま自分の手に絡めて彼女たちに見せるようにした。


いわゆる…。


恋人繋ぎというやつだ。


雑誌なんかで見たことある。


カップルの2人が繋ぐ繋ぎ方。


それをどうして…。


「え、何、柊くんと緒方さん、付き合ってるの?!」


女子たちが騒ぎ出してそういう。


そんなわけないじゃないですか!!