「エサあるみたい。けど金とるらしい」
「まじか〜ヤギなのに金とるんか。ってか遠足のしおりでよくない?ヤギって紙食べるんでしょ?」
「高城、それはやめたげよ。俺と割り勘で一袋買おうぜ」
「おぉ!それならいいよ!ラッキー。じゃ、ちょっと買ってくるわ!」
「え、ちょ、鈴香ちゃんっ」
土田くんと鈴香ちゃんはそう言って、エサ売り場へと向かってしまった。
よりによって…こんな空気な時に…。
「来たことある?ここ」
「っ、、」
柊くんが私の隣にやって来た。
柊くんは悪くない。
柊くんはクラスメイトの1人である私にいつものように接してくれだけ。
それなのに、さっきの反応だけで彼との距離がすごく遠くなった気がした。



