学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます

[side 静音]



あぁ、バカみたい。
なんで落ち込んでいるんだろう。


自由時間、鈴香ちゃんが髪いじりたい!なんてワクワク顔でそう言うから、触らせていたけど。


同じクラスの女の子たち数名にも声をかけられて、ちょっと舞い上がってる自分がいた。


いつもお世辞で『可愛い』って言ってくれる柊くんのことだから、もしかしたらって。


ほんっとバッカみたい。


顔の整ってる柊くんや、可愛い顔した鈴香ちゃんといて、感覚が鈍ってしまっていたんだ。


ちゃんと鏡を見直そう。


「鈴香ちゃん…これ、外していいかな?」


そうだよ。
私は可愛くない。
こんなことしたってなんの意味もないんだ。


地味な私が頑張ったって見苦しいだけだ。


「え、なんで?静音ポニテしたら頭痛くなるタイプ?」


「いや、そういうわけじゃないんだけど…」


「じゃあ何よ」


「っ、、」


もともと可愛くて好きな格好が思う存分できる鈴香ちゃんにきっと私の気持ちなんてわからないだろう。