時々、窓の外を見ようとするけど寝てる柊くんがどうも視界に入って、やっぱり柊くんに目がいってしまう。
窓の縁に置かれた柊くんの手とか…。
綺麗な爪の形と程よい指のゴツゴツ感は彼が男の子だってことを改めて実感させる。
このジャージの下では…どんな顔をして寝ているんだろう。
なんて、私の分際でこんなこと考えちゃダメだ。
柊くんの隣ってだけで、誰もがうらやむ席なのに。
「静音っ」
後ろを振り返ると、席から顔をちょこんと出した鈴香ちゃんがポッキーの箱を差し出していた。
「あ、ありがとう」
たっくさんお菓子が入ってた鈴香ちゃんのリュックを思い出して、少し胸が痛くなる。
楽しみにしてくれてたのに。
「全部もらって。柊にも、食べられるんだったらあげてやって」
箱の袋から一本もらおうとしたら、鈴香ちゃんはそう言って箱ごと私に渡してからすぐに顔を引っ込めた。
「鈴香ちゃん、ありがとうっ」
「いえいえ〜」
顔が見えないままそうやり取りをして、私は体を前に戻す。



