「柊くん、本当かっこいいよね〜」


「アリサ、早く告っちゃえばいいのに。チャンスじゃない?ほら、今日可愛くしてるし」


前の席の女の子たちが、またワチャワチャと話だす。


やっぱり、柊くんのこと好きな人、まだまだいるんだな。



まだ入学して間もない時から、柊くんの噂は凄まじく、たくさんの女の子たちが振られたって有名な話だ。


でも、あの柊くんのことだから、きっと相手の女の子を出来るだけ傷つけないように断ってきたに違いない。


じゃなきゃ、2年生になった今でも彼の周りにこんなに人が集まるなんておかしいもん。



そんなことを思いながら、みんなに囲まれてる彼を見つめる。


っ!!



はっ、ど、ど、どうしようっ!



思わず、顔をバッと下に向けて、髪の毛で顔を隠す。


今…。


完全に柊くんのこと見過ぎてしまったせいで、


柊くんと…。


目が合っ─────。



「うわっ!今、柊くん、完全にアリサのこと見てたよ!」


「え、そんなことないよ…」


「いや、絶対見てたって!」