「え…絢斗くん…いる?」
じーっと写真を見つめたまま静音はそういう。
真剣に見つめるその顔がやっぱり可愛くて笑っちゃう。
「ちゃんといるよ」
「えええ…嘘だよ…いない…」
「いるってば。探しながらでいいんだけど、静音は小3の頃の遠足の場所とか覚えてる?」
「えっ、小3…」
すごく昔の話だし、覚えている方がまれかもしれない。
「確か…私たちは、星ノ山運動公園。あそこの芝生を段ボールで滑った思い出がある」
「やっぱり?実は俺も星ノ山。ほら、この後ろ、ここでしょ?滑ってたの」
俺はそう言って、写真のバックを指指す。
「あ、ほんとだ〜!やっぱり大体決まった場所に行くだね〜」
「この時俺、弁当忘れちゃってさ…弁当分けてくれる友達もいなくて…」
「…あっ、」
静音が、突然何か思い出したように声を出した。