「小学校、俺と高城同じだったの覚えてねーよな」
「えっ、」
「なんだよその顔…凹むわ」
そう言って笑った土田の横顔は、いつもの少し頼りない感じとは違ってちょっと大人に見えた。
「全然覚えてないし、小学生の時って…」
「うん。高城、今よりもずっと女の子だった。大人しくてふわふわしてて」
嫌だ。
思い出したくない。
「黒歴史だわあんなの」
「男の子たちは大体高城のことが好きでさ…それが原因でしょ?今みたいになっちゃったの」
「なっちゃったってなんだよ。好きでこうなったんだよっ」
そう言って、土田の肩を軽く殴る。
「そっか。ごめんごめん。ただ、俺はずっと後悔してて…あの時、高城に嫉妬した女の子たちからのいじめを止められなかったのが悔しくて…」
「…つ」
まさか、あの時のいじめを、見ていた人がいたなんて。
あの子たちは決まって、男の子や先生たちがいない時に、私に嫌がらせをしていたから。