「じゃあ、知らない間に、柊が別の子に取られてもいいんだ?仕方ないよって身を引けるの?」


「……っ、」


「きっとすごく難しいよ。そこでキッパリ諦めるなんて。自分でもわからない間にそういう気持ちは怖いほど大きくなっているに決まってるんだから」


優しいけど、力強い、悠ちゃんの声。


それは、私のことをちゃんと考えてくれているんだって証拠だと思う。


だけど…。


「学園祭、俺もちゃんと挨拶するから。彼に」


「ええっ!でもっ、」


「一度家の前で会ってるし、よく覚えてるよ、あの…静音を見る目」


「えっ、目?」


ボソッと話した悠ちゃんに聞き返す。


「いや、、、何でもない。とにかく!柊に、ちゃんと自分のことどう思ってるのか聞いてみな」


悠ちゃんはそういうと、「応援してるから」と言って、いつもの優しい笑顔を向けてくれた。