「まぁ、ほんの少し寂しいっていうのが本音だけどな。知らない間に、静音がどんどん大人になっていくのは。けど、俺も頑張ろうって思える」
「ありがとうっ、悠ちゃん」
内気で人と話すのが得意じゃない私のことを、ずっと心配して側にいてくれた悠ちゃん。
改めて、こんな素敵な人が幼なじみでよかったって思う。
「で、静音は、これからどうするの？その気持ち」
「へっ、」
気持ち…？
「好きなのに、思い伝えないの？」
っ？！
悠ちゃんのセリフに、顔がボッと熱くなる。
「っ、無理」
「えっ、」
「そんなの無理だよ〜！」
鈴香ちゃんと両想いではないとわかったものの、やっぱり、あの人気者の柊くんだ。
私みたいな地味な人間、彼女にしてほしいなんて口が裂けても言えない。
