鈴香ちゃんは何かを思い出したらしく、大きく声を上げた。
「それ多分、私が泣いた日のことだ…」
「え?」
「あの日、ばったり柊に会った日。私が泣き出したら、柊もすごい慌てだして、私のこと突然抱きしめ出すからびっくりしてさ…」
「柊くんが…」
それって、そんなことするって…柊くんってやっぱり…。
「それをその静音の幼なじみに見られたんだと思うわ。けど、私はすぐに柊のこと突き飛ばしたよ」
「え、突き飛ば…」
「あいつも、急に流れてテンパったみたいで。どうやったら泣き止むのか必死に考えたんじゃない?バカだよねほんと」
そっか…。
言われてみたら、恋愛感情とか抜きでも、柊くんはそういうことしそうだな。
「好きでもねー女にそういうこと2度とするな、って怒鳴ってやったら、ちゃんと謝ってたし、心配しなくても大丈夫だぜ」



