「花火大会の日だって、本当はじいちゃんのことずっと不安で。だけど、花火見て笑った静音の顔見たらさ…」


鈴香ちゃんは、私の涙で濡れてしまった親指をそのまま頬の方に持ってきて私の顔を包んだ。


っ!!


久しぶりに鈴香ちゃんと至近距離で見つめ合って。


花火大会のあの出来事を思い出す。



「自分でもまだよくわかんないんだ。ただ、ああいうことしたくなるくらい誰かがそばにいるって実感したかったんだと思うし、もしかしたら、静音のことをそういう目で見てるのかもしれないし。正直わからない」


「っ、」


自分の顔が赤くなっていくのがわかる。


そういうことって…。


声に出して言われると鈴香ちゃんが女の子とか、関係なく恥ずかしくなってしまう。