「っ、、」
この場で鈴香ちゃんを守れないことがすごく悔しくて、目頭が熱くなる。
「緒方さんも本音言うと嫌いでしょ?高城さんのこと」
「っ、、」
ガタッ
「緒方さん?」
「ごめんなさい。ちょっと、トイレに」
ここで泣いたらダメだ。
反論の言葉もできないくせに
泣いたらダメだ。
「え、ちょ、緒方さんっ!」
私は、席を立って急いで教室を出た。
なんでこんな風になってしまったんだろう。
きっと、学園祭の準備だって、前より確実に楽しくなるんだって思ってたのに。
「うっ、…」
誰も歩いていない静かな廊下を走って、角を曲がって立ち止まった瞬間、一粒の涙が床に落ちた。



