「な、そんなこと思うわけないじゃん!悠ちゃんは本当に私のお兄ちゃんみたいな存在だよ」
恥ずかしいことをサラッという柊くんにドキドキが収まらない。
こんなこと平気で聞けるなんて…。
私だって、柊くんの本当の気持ち聞けたらどんなに楽か。
悠ちゃんが見たっていうアレは、本当に悠ちゃんの見間違いなのか。
それとも…。
「そっか」
柊くんはそれだけ言って、私の頭を撫でた。
「あ、そういえば、来月には学園祭だね」
手を離した柊くんが思い出したようにそう言った。
学園祭…。
私の苦手な行事の1つが今年もやってくるのか。
けど、今までに比べたらましかもしれない。
柊くんのお陰で、クラスの女の子たちも私に話しかけてくれるようになっているから。
学園祭までには、鈴香ちゃんとの仲をちゃんと元どおりにしなきゃ。
私が意識しすぎちゃうせいで、鈴香ちゃんに嫌な思いはさせたくないもんね。



