「すっごい熱い」
「…っ、」
っ?!
柊くんが突然、両手で私の頬を包み込んだ。
またこんなことを急にやるんだもん。
びっくりしちゃう。
だけど、柊くんの手が触れてることで安心している自分もいる。
「高城が静音にこんな顔させてるの?」
「っ、鈴香ちゃんは、」
「ん?」
手を離して、私の声に耳を傾けてくれる。
そういう優しいところがやっぱり好きだと思わせる。
「鈴香ちゃんは、すっごくいい子だよ。優しいし。明るいし。鈴香ちゃんは悪くない」
鈴香ちゃんがいつもより、私に触れてきた。
そのことが、ほんの少し怖かった。
いつもの鈴香ちゃんじゃない気がして、どうしていいかわからなくて。
好きなのに、怖いと思った自分が一番嫌になる。