外からやってきたのは、安定の悠ちゃん。
白い箱を持っていた。
だけど、悠ちゃんは振り返ったばかりの鈴香ちゃんを見て固まっている。
あ、私の初めての女友達を紹介しなくちゃ!
「あの、悠ちゃん、こちら高城 鈴香ちゃん。クラスメイトで最近仲良くなっ…」
「どういうつもりなのかな?」
「へ?」
鈴香ちゃんをすごく睨みつけながら声を出した悠ちゃんに、思わず変な声が出てしまう。
どうしてそんな顔で、鈴香ちゃんのこと見ているの?
「あの悠ちゃ…」
「静音、この人は?」
もちろん悠ちゃんのことを知らない鈴香ちゃんは困った様子で振り向いて私の顔見た。
「あ、ごめん。私の幼なじみの悠ちゃん」
「静音の幼なじみ…」
「出て行きなよ」
「え?ちょっと悠ちゃん?ごめんね、鈴香ちゃん…」
今まで見たことない怒った顔の悠ちゃんにどうしていいかわからない。
なんでそんなに怒っているんだろうか。
「いや、ううん。急にお邪魔したからね。すみませんでした。またね、静音」
鈴香ちゃんは早口でそういう時、急いで玄関を出て行ってしまった。



