学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます



突然決まったお泊りで、何にも準備していなかったから、あとは寝るだけになってしまう。


普通なら、まだ起きてておしゃべりしたりトランプしたりするのかな。


「じゃあ、電気消すね」


「うんっ!」


電気を消して布団に潜っても、すぐ横に鈴香ちゃんが寝ていると思うと緊張でまだまだ目が冴えている。



「…静音?」


優しい鈴香ちゃんの声が私の部屋に響く。


「は、はいっ!」


「はい、って…。ごめん。なんか呼びたくなって」


いつも誰よりも強く見える鈴香ちゃんだけど、今の声はなんだかすごく弱々しく聞こえた。


『呼びたくなった』そう言われて、嬉しくないはずがない。



「静音が私のことどう思ってるか知らないけど、私は静音に会えて良かったって思ってる」


「そ、そんなの!私だって同じだよ。鈴香ちゃんが声かけてくれなかったら今でも私は一人だったと思う」


思わず体を起こしてそう話してしまう。