「あら、」


「は、はじめましてっ!静音さんとお友達しています!高城 鈴香といいます!」


リビングに顔を出したママを見た瞬間、ソファに座っていた鈴香ちゃんは立ち上がってピシッと気をつけをしてママにそう挨拶した。


鈴香ちゃんがすごく緊張しているのが、私にも伝わる。


こういう挨拶、慣れていないんだな。


カチカチに固まった鈴香ちゃんがなんだか可愛くて吹き出しそうになるのを堪える。



「同じクラスの鈴香ちゃん。今度の花火大会誘ってくれて…浴衣持ってわざわざ来てくれたの」


ママに軽く説明してから、紙袋を見せるように胸の方まで上げる。


「え〜?!本当に?!静音がお友達と花火大会?!」


ママは目を丸くさせながら、緊張している鈴香ちゃんと私を何度も交互に見つめた。