『今から会えないかな?』


スマホの向こうから、鈴香ちゃんの安定して明るい声がそう言った。


こんな時間に会うって…どうしたんだろうか。鈴香ちゃんと会うのはプールの日ぶり。


しかも…。


ピンポーン


来た。


なんか、今日は不思議なことが多いな。


悠ちゃんの言葉や鈴香ちゃんの突然のお家訪問。


私は急いで玄関に向かってから、ドアを開けた。



───ガチャッ


「いらっしゃい鈴香ちゃん。道、大丈夫だった?」


目の前に立っていたのは、やっぱりお洒落で派手な鈴香ちゃん。


「楽勝。教えてもらった住所地図アプリにコピーしたらすぐだよ」


「あぁ、そっか。よかった〜」


そっと胸を撫で下ろす。


機械に疎い私はどうもそういう操作は苦手だから、初めてうちにくる鈴香ちゃんが迷わずに来れて安心する。