「あいつ、やめたほうがいい!」
「え?」
突然なんなんだろう。
「静音が傷つくのを、俺は見たくないよ」
「悠ちゃん…急にどうしたの。なんかおかしいよ」
「おかしいのはあいつだよ!静音に色目使って置きながら…」
「え?」
後半、ボソボソ一人で喋る悠ちゃんが何を言っているのか聞き取れなかった。
何をそんなに慌てているんだろうか。
悠ちゃんの顔は真剣そのもので、ふざけてるようには見えない。
「何が言いたいの、悠ちゃん」
揺れている悠ちゃんの瞳を捉えながらまっすぐ聞く。
「とにかく、あいつはやめたほうがいい。静音のためにも」
悠ちゃんは、私の肩を捕まえたままそれしか言わなかった。
どうしたのよ、一体…。