「水着を持ってない?」


「…うん。それに、私鈴香ちゃんみたくスタイル良くないし…」


掃除の時間。


担当である、体育館の玄関の掃き掃除をしながら、鈴香ちゃんにプールに行きたくない理由を話した。


男の子2人には流石に話せなくて濁したけど。



「なんだそんなこと?」


「そ、そんなことって、大事なことだよ…」


「よし!じゃあ今週の休み、一緒に水着買いに行こ!」


「えっ、でも…」


「静音が来ないなら私も行かないし。お願いだから、一緒に行こうよ。親友のお願いだよ?」


「うっ、」


鈴香ちゃんは、私が『親友』って言葉に弱いのを知っているみたいだ。


今までできたことなかったから、その響きだけで嬉しくなっちゃう。


「うん。わかった」


私が小さく頷くと、鈴香ちゃんは嬉しそうにニカッと笑った。